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胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍・十二指腸潰瘍強酸性の胃液によって胃や十二指腸の粘膜が深く傷付いた状態です。胃液は本来食べ物を消化していますが、何らかの原因でこの胃液が胃や十二指腸の組織を傷つけてしまう疾患が胃・十二指腸潰瘍で、消化性潰瘍とも呼ばれています。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

以下のような症状がある場合は、潰瘍の可能性があります。

  • 胃やみぞおち周辺のきりきりした痛み
  •  黒い便
  •  ゲップの増加
  •  吐き気
  •  胸焼け
  •  呑酸
  •  吐血
  •  貧血
  •  食欲不振
  •  体重減少 など

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

胃潰瘍の原因は7割以上がピロリ菌感染によるものと考えられています。次いで、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の服用(副作用)も潰瘍の原因となります。また、ストレスも発症や進行に大きく関与します。
特に、ロキソニンなどドラッグストアで購入できる薬もNSAIDsなので、服用しすぎないよう注意が必要です。

胃カメラ検査

胃カメラ潰瘍の有無や範囲、治り具合を直接確認します。さらに、止血処置や組織の採取を行うこともできます。胃潰瘍の外見は、胃がんと類似していることもあり、組織を採取して病理診断を行うこともあります。

胃カメラでわかる潰瘍のステージ

活動期
  • A1 stage = 潰瘍が最もひどい状態。潰瘍底が白苔に覆われ、血の塊や出血がみられる
  • A2 stage = 潰瘍底はきれいな白苔に覆われ、血の塊や出血がなくなり、周辺の浮腫も減退した状態
治癒期
  • H1 stage = 潰瘍の治癒が始まり、周辺に赤色の再生上皮が出てくる
  • H2 stage = さらに潰瘍が小さくなり、潰瘍周辺がほぼ再生上皮に置き換わる時期」
瘢痕期
  • S1 stage = 赤色瘢
  • S2 stage = 白色瘢痕

胃カメラ検査はこちら

造影剤を用いたX線検査(バリウム検査)

バリウム状態を把握するためにはある程度役立ちますが、確定診断には改めて胃カメラ検査による観察と組織採取が必要となります。X線検査では止血処置をすることもできず、複数枚の撮影が必要ですので被ばくリスクも上がってしまうことから、当院では実施しておりません。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

ピロリ菌主に胃酸分泌抑制薬を使い、通常、6~8週間の治療でほとんどの潰瘍は治癒します。なお、ピロリ菌感染陽性の場合には、潰瘍や炎症の状態がある程度回復してからピロリ菌の除菌治療を行います。ピロリ菌の除菌治療に成功すると、潰瘍や炎症の再発率を大幅に下げることができ、胃癌発症リスクが高くなる萎縮性胃炎への進行を抑制できます。また、生活習慣の見直しも重要です。暴飲暴食や刺激物の摂取を避け、カフェインやアルコール摂取、喫煙も控えることが推奨されています。

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胃潰瘍・十二指腸潰瘍の合併症

出血

潰瘍の合併症で最も多いのが出血です。血を吐く(吐血)、下血(タール便)といった症状があればすぐにわかりますが、そのような症状がなく貧血で気づかれることもあります。胃カメラでの止血をまず行いますが、それでも止血できないときはカテーテル治療や手術が必要です。

穿孔

潰瘍が深くなると胃に穴が開いてしまい(穿孔)、胃液がもれて腹膜炎をおこします。緊急手術を必要とすることもあります。穿孔は激痛を伴うことが多いですが、ご高齢の方、糖尿病や肥満の方は症状が弱いこともあります。